幻と現のあいだ

現実見てないわけじゃない。だから夢も見ていたい。

阿部くんに思いを馳せながら天職を探して転職した話

 

デジタル大辞泉より引用

 

てん‐しょく【天職】
1 天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業。「医を天職と心得て励む」
2 天子が国家を統治する職務。
3 遊女の等級の一。大夫の次の位。天神。
「―のゆたかなる道中を見て」

 

多くの人はきっと1の意味で「天職」を使うと思う。

その人の天性、天から授けられた性質また生まれつきそのようであること、に最も合った職業、とは何とも素敵な響きだ。 

 

かくゆう私が尊敬してやまないアイドル、阿部亮平くんもそうだろう。

彼は様々なメディアを通して自身の天職をアイドルだと公言している。

 

 

私は阿部くんが羨ましい。

 

彼の、自身の天職を疑わず、真っ直ぐ進む姿が眩しい。

 

 

 

 

なぜなら私は自分の天職がわからなくなったから。

 

 

 

 

なんかちょっと重いかもしれないが、まあ聞いてやってほしい。

 

 

 

 

私は看護師。

始まりは幼稚園の卒園アルバムで将来の夢を「かんごふさん」と書いたところから。

当時なぜそう書いたのか、自分の心情はまるで覚えていない。たぶんたまたま。

 

そこから、小学生までは、パティシエ、ソムリエ、カメラマン、小説家…

他にもたくさんの職業に憧れた。

 

でも唐突に中学生の時に将来の目標を決めたほうがいいと思い立った。

こんな私でも人の役に立てる、そんな職業はないだろうか、そう思ってたどり着いた職業が看護師だった。

今でこそ世の中にある職業はどれをとっても誰か、そして社会のために役立つものしかない、と理解できるが、当時の浅い思考力では医療系が真っ先に浮かんだのだと思う。

 

他の医療職でなく看護師だったのは職場体験で訪ねた病院の看護師が患者に真摯に向き合っていたから。こんなに温かく患者に向き合える看護師がいるんだと思った。

 

大学に進学することは決めていたので、高校は普通科だったが迷わず理系を選んだ。最初から最後まで看護学科系の志望校にした。高3でセンター試験滑ったし、前期も落ちて、後期でやっと地元の大学に合格した。第一志望ではなかったから正直浪人も考えたけど、看護師という最終目標にたどり着く最短距離を選んでそのまま進学した。

 

大学4年間、がちがちに組まれたカリキュラムの中でテスト、レポート、実習に追われながら4年間を過ごした。国家試験対策期間中は本当に諦めそうになったけど、阿部くんは合格率3~4%の気象予報士に死ぬ気で合格しているのに、私が9割受かる看護師に落ちては顔向けできないと改心し、その後、無事合格した。(阿部くん、その節はありがとうございました)(勝手に)

 

 

晴れて看護師の資格を手に入れ、第一希望の救命に配属され、私の看護師人生は始まった。

 

あれから数年。

あんなになりたかった看護師でいる自分に、本当にそれでいいのか疑問を持つようになった。

 

患者さんファーストでありたい、そう思っていても現実は目の前の業務に迫られ、焦る毎日だった。

入院している方の安全を守ることに必死なことの方が多かった。

人間は十人十色だから、本当にいろんな方が入院してくる。それがしんどいなと思うことも多かった。

 

いつのまにか、看護師としての理想像を失っていた。

 

仕事だから仕方ない。看護師も人間だから仕方ない。

そういう気持ちももちろんある。

 

でも私がなりたかった看護師になれていないことがしんどかった。

 

ずっと、ずっと、看護師を目指してきたから、ここにきて、理想をかなえられない自分に虚しさを覚えてしまったのかもしれない。

 

でも、これまで看護師として頑張ってきた自負はあって、それを否定したくない。

患者さんのためになる存在でありたいと思った気落ちは嘘じゃない。

 

そんな私の気持ちを自分で救ってあげたかった。

 

 

 

こうして私は転職を決めた。

 

 

 

転職先は医療系の企業。看護師としての経験を活かしながら従事する。

今は研修真っ只中で、まだ自分にこの道が向いているかはわからないけど、自分の人生なので、できるときに挑戦したいと思った次第である。

 

 

自分で言うのもおこがましいが、私は割とひょうきんな性格で、よくしゃべるし、表情は豊かな方なんだと思う。周囲の人が私に対し「看護師向いてるよね」「看護師が天職なんじゃない?」と言うこともしばしばだった。

自分でも思っていた、私の天職は看護師なんだって。信じて疑わなかった。

 

逆にそんな気持ちが理想を高めすぎて、自分を苦しめていたのだとも思う。いつのまにか看護師でなければならないと自分をがんじがらめにしていたのかもしれない。

 

一歩踏み出す勇気ができて、よかったなと思う。

 

 阿部 少し似てるかも。僕は知名度が上がらないことに悩み、歌って踊れるだけではダメだとも思って出来ることを探した結果、資格を取ることにしました。おかげで「気象予報士の人」と声を掛けられることが増えました。

www.yomiuri.co.jp

 

 

 

最近見かけた記事。思うところがあった。

出来ることを探した結果、資格という一つの道を見つけた阿部くん。

私は阿部くんのこういうマインドに影響され、自分の納得できる道を探せたのかもしれない。

 

結局最後はこじつけみたいになったけど、これからのセカンドキャリア、自分なりに頑張りたいし、自分らしくいられる仕事にたどりつけたらいいなと考えている。

私にとっての天職は今のところざっくりいうとこんな感じかな。

 

 

看護師の国家試験に合格した時は、勝手に阿部くんに「私一生看護師やります!」って宣言してたのに、本当人生どうなるかわからないものだ。